アンケートモニターで稼いだ収入には所得税は課せられるのでしょうか。
副収入がいくらになったら所得税を納めなければならないのでしょうか。アンケートモニターの報酬と所得税についてまとめてみました。
(注:税金の対象は換金した金額のみで、ポイントのまま保有すると税金はかかりません。)
アンケートの謝礼は所得税の課税対象になる?
アンケートモニターで得た収入は、雑収入(雑益)として扱われます。雑収入とは、簡単にいえば「本業以外で稼いだ、ちょっとした収入」を指します。
雑収入から経費を引いた金額のことを「雑所得」といい、これは所得税の課税対象になります。つまり、リサーチ会社から受け取った金額がそのまま課税対象となるのではなく、そこから経費を引いた額が課税対象となります。
経費とは、たとえば調査会場に行くための交通費とか通信費などです。ウェブアンケートで収入がある場合、スマホを使ってアンケートモニターをやることがあるなら、スマホの通信料の一部、自宅のパソコンを使うことがあるなら、プロバイダー料金の一部を経費として申告することもできます。また、パソコンやスマホを買ったときには、その代金の一部も経費として申告できます。
通信料金の「一部」が具体的には何%なのか、といった詳細については、ケースによっても異なってくるので税務署に相談しましょう。
雑収入にかかる所得税については、確定申告を行うことによって税額が決まります。ところがサラリーマンや公務員といった給与所得者は、給料以外の所得が年額20万円以下だと、確定申告の義務がありません。
たとえばあなたが会社員で、毎月アンケートモニターの報酬が1万円ずつだとすると、給料以外に稼いだお金の合計は12万円です。これは年額20万円以下なので、確定申告の義務がありません。厳密にいえば雑所得分にも所得税が課税されるのですが、確定申告をしなければ税額が決まらないので、納税しなくていいということです。
では、アンケートモニターで月2万円稼ぎ、年間の合計が24万円になるとどうでしょうか。この場合は雑所得が年額20万円以上になるので、確定申告をして所得税を払わなければいけないと思うでしょう。でも、実際には払わなくていいケースもあります。
もう一度繰り返しますが、雑所得が年間20万円以下の給与所得者は確定申告の義務がありません。アンケートモニターで稼いだお金は「所得」ではなく「収入」で、「収入」から「経費」を差し引いた額が「所得」になります。したがって、アンケートモニターで月2万円稼ぎ、年間の合計が24万円となった場合でも、年間の交通費や通信費(の一部)など、経費の合計が4万円を超えていれば、「所得」は20万円以下になるため、確定申告の必要はなくなります。
主婦など、給与所得者ではない人では、1年間の所得が38万円を越えると確定申告が必要になります。つまり、1年間の所得が38万円以下の場合には、所得税が課税されないということです。
実際には、雑収入にかかる所得税は、契約社員、派遣社員、パート、アルバイト、主婦など雇用形態や収入で基準が異なるので、国税庁のホームーページで確認するか、最寄りの税務署に問い合わせましょう。
また、アルバイトやパートでは一般的に給与から10%の源泉が引かれます。しかし、座談会などの謝礼は源泉を引かれていないことがあります。
普通は労働に対する対価に対しては所得税として10%と、復興特別所得税0.21%、合計10.21%引かれた額が支払われるのですが、アンケートモニターの謝礼については、条件を満たせば源泉を引かなくてもいい、という決まりがあるのです。その中で一番分かりやすいのは「支給額が9,300円以下」というものです。つまり、額面1万円から源泉10.21%引かれると8,979円となりますから、源泉を引かれずに9,300円をもらったほうが得した気分になりませんか? ただし、実際には払いすぎた税金は、確定申告をすれば戻ってきますので、謝礼1万円のほうが得ということになります。
ポイントのまま保有していれば税金はかかりません
獲得したポイントをすぐには交換せず、ある程度貯まった段階で交換するという人も多いでしょう。
アンケートモニターの報酬が所得税の課税対象となるタイミングは、「ポイント使用時」とされています。アンケートに回答し、ポイントを獲得した時点ではなく、ポイントの交換・換金を行った時点で課税所得として認識されます。
アンケートモニターの報酬が雑所得として扱われることは先に触れましたが、雑所得には公的年金や原稿料、印税、講演料、先物取引所得、外国為替証拠金取引(FX)、アフィリエイトの収入やインターネットオークションの売金等が含まれます。
また、雑所得には銀行振り込みなどの金銭によるものだけではなく、図書券や商品券、ギフト券等の金券も対象となります。なお、金券は額面が所得として扱われます。
これら雑所得の合計金額が20万円を越えてしまうと、確定申告を行う義務が生じます。
獲得したポイントの交換・換金については、金額やタイミングを自由に調整できるので、他の雑所得と合せて課税されない金額に抑えるようコントロールしていくといいでしょう。